2025/05/15 17:11

このオーブンプレートがtunaguにやってくるまで、実は2年という時間がかかりました。
はじめて出会ったのは、瑞浪の展示会でのこと。ある窯元さんのブースで見つけたそのプレートは、
うぐいす色、グレー、そしてピンクの3色が並んでいました。

小さな店であるtunaguとしては、ぜひ仕入れたいと心を動かされましたが、その展示会は大きな卸業者さん向けの場。オーブンプレートはサンプルとして展示されていて、注文が集まったら製造に入る予定の商品でした。残念ながら、その時は仕入れることができなかったのです。


窯元さんを訪ねて

それでも、あのプレートの印象が忘れられず、後日改めて窯元さんを訪ねることにしました。
工房では、たくさんのうつわたちに囲まれながら、ひとつひとつ丁寧に見せていただきました。

中には、釉薬ムラや小さな黒点があるだけで「B品」としてはじかれているものもありました。
けれど、私にはそのムラや点が、とても味わい深く感じられたのです。ひとつとして同じものがない個性。それこそが、うつわの魅力ではないでしょうか。

「このうつわが欲しい」とお願いしても、「まったく同じものは作れない」と言われました。
だからこそ、自分の目で選んで、気に入ったものだけを仕入れさせていただくことにしました。


使ってみて、気づいたこと

次の年の展示会で、ふたたびオーブンプレートのことを伺うと、「重すぎると言われて、結局どこからも注文が入らなかったんですよ」と窯元さん。

その後、また訪ねた際に、サンプルとして3色のプレートをいただき、自分でも使ってみることにしました。
私はグラタンのような本格的な料理は少しハードルが高く感じてしまうタイプ。でも、蒸した野菜を切って、チーズをのせて焼くだけの簡単な使い方なら、気軽に楽しめます。

そんな中、なかなか「浅め」で、使いやすいオーブンプレートには出会えていませんでした。
手つきの丸型オーブンプレートも素敵だったのですが、朝食でひとり分を作るには場所をとってしまう。
そんなときに出会ったのが、この楕円型のプレートです。


ついに完成しました

型はすでにあったので、「少量でも焼けるならぜひ使ってみたい」とお願いし、
使い比べた中で、私は迷わず「ピンク」を選びました。

そして、ついに…
2年前に出会ったオーブンプレートが、ようやくtunaguに届きました。


最後に

時をかけて出会い、手に取って、使ってみて、ようやくお客様にお届けできることになったこのプレート。
数はたくさんご用意できませんが、そのぶん、丁寧にお届けしたいと思っています。

暮らしの中で、気軽に、でも心がちょっとあたたかくなるような——
そんな一皿になりますように。